ユーゴスラヴィズム

映画「アンダーグラウンド」から読む世界の虚構性


はじめに…
 この論文は、エミール・クストリッツァの「アンダーグラウンド」をテクストとして中心に据え、旧ユーゴスラヴィアが解体するまでの歴史を追い、考えられる解体の謎を探っていく。その中で、歴史とは、国家、国民、民族とはいかなるものか、旧ユーゴを通して露呈していきたい。
 国家として不動の地位を築いた日本では、これらの虚構性は隠蔽され、見直す機会も少ないだろう。しかしながら、これらのイデオロギーは、姿を変え、あえあゆる別のイデオロギーを生み出し、私たちを操作したり、争いを起こす装置になり得る。こういったことは、思いもよらない日常にまで浸透しているのだ。その事実に無意識、無自覚でいることほど、嘆かわしい悲劇はないだろう。自身が実存する世界のことを何も知らないでいることになるのだから。
  そこで、ここでは別の世界で起きた出来事を客観的に見直すことにとどめず、更には、自らの問題として捉えるところまで発展できればと思う。

                                            

Writing in Summer/2001
 
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